MXTシリーズ

開放式X線管 メンテナンス方法

[ご注意]
X線装置MX-80ecoMX-90Basic/MX-60BasicMX-90Wideに使用されているX線管は密閉型ですので、以下のメンテナンスは必要ありません。
 (→メディエックステックのエックス線装置情報)
 また、X線管のメンテナンスご希望のお客様はお問い合わせください。

1.メンテナンスをする前に

  • 主電源を切ってください。
    本装置は高電圧を使用しております。必ず、装置の電源が落ちているかどうか確認してください。
  • 真空を解除してください。
    フィラメントの交換やターゲットのメンテナンスは、真空を解除していないとX線管が開放できません。

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2.フィラメント交換と調整

  1. 真空ホースの接続部をゆっくり緩め、X線管内の真空を開放します。接続部を緩めると、プシューッと管内に空気が入っていく音がします。あまり勢いよく開放するとホース内に異物が混入する恐れがありますのでゆっくりと行ってください。完全に空気が入る音がしなくなったら、しっかり締めなおしてください。
  2. X線管中央にある4本のネジをはずし、高圧ケーブルに無理な負担がかからないよう注意しながらゆっくりとX線管上部を倒してください。フィラメント落下防止のため、レンチ側を上にして外してください。
  3. グリッド固定リングを回転しながら外し、グリッド・キャップをグリッド・ベースから引き抜きます。【使用直後のX線管内はすべての部品が熱くなっています!】まだ部品が熱い場合は冷えるのを待つか、耐熱手袋を着用してください。
  4. カソード調整リングにカソード・レンチを差し込み、グリッド・キャップのセンタリングネジを2箇所緩めます。
  5. カソード・レンチを回転させながら外し、切れたフィラメントを取り出します。
  6. グリッド・キャップの中にはフィラメントの他にフィラメントの高さを調整するためのスペーサーリングが数枚入っています。
  7. 切れたフィラメントを取り出し、新しいフィラメントに交換します。
  8. カソード調整リングのついたカソード・レンチを適当な位置まで緩やかに回転し、軽く固定します。【完全に固定してしまうと、調整ができなくなります。締め付けてから少し戻す程度にします。】
  9. ヘアピンフィラメントの先端が手前の孔から見て0.2~0.5mm低くなるようスペーサーリングで高さを調整します。また、フィラメントの先端がグリッド・キャップの中心へくるように、3本のセンタリングネジで調整し、しっかり固定してください。
  10. カソード・レンチを外し、グリッド・キャップをグリッド・ベースに差し込み、グリッド固定リングを取り付けます。X線管開放時、アノード・プレートの中心にある穴にゴミなどが入らないよう十分注意してください。
  11. X線管内の掃除をします。無水エタノールとクリーンワイプを使用してください。【X線管内に水分や埃・ゴミが残ると放電の原因となります。必ず上記のもの、または同等のものを使用してください。】
  12. X線管内をよく清掃してください。
  13. アノード・プレートについた埃・汚れもきれいに拭きとってください。【X線管内のアルコール・水分等が完全に乾いたのを確認してから元に戻します。】
  14. X線管の上部をもとに戻します。ハイテンションケーブルに無理な力がかからないようご注意ください。
  15. 4本のネジをすべて締め付けます。【フィラメント交換でずれてしまったフィラメントのセンターを調整します。】
  16. 電源を入れる前に、真空配管の接続部に閉め忘れがないか確認してください。
  17. 電源を入れ、100kVまでウォーム・アップします。
  18. X線管上部にある6本のネジをバランスよく緩めます。
  19. 管電圧70kV、管電流0.04mA、フォーカス・モードは4のノーマルにセットします。操作パネルでマニュアル・モードにし、objective, condensor それぞれのX、Y値を0にします。X線を照射させながら、X線管上部にある3本のネジで、ターゲット電流が最大値になるよう調整します。

ターゲット電流が最大値になり、映像がシャープになったら固定ネジをバランスよく締め付け beamAdjustでセンタリングし、その値をセーブします。以上で調整は終了です。

開放式X線管 メンテナンス方法(2)1-4
開放式X線管 メンテナンス方法(2)5-8
開放式X線管 メンテナンス方法(2)9-12
開放式X線管 メンテナンス方法(2)13-16
開放式X線管 メンテナンス方法(2)17-19

注1:Beam Adjust…コントローラーF2ボタン

注2:センタリング後の値のセーブ…コントローラーF1ボタンでマニュアルモードに切り替え、F6ボタンでセーブ。F1ボタンを押しAutoモードに戻す。

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3.ターゲットの回転と交換

  1. ターゲットの回転
    • ローレットを緩めます。
    • ターゲットをドライバーまたは同種の工具で回転させます。
    • ローレットをよく締めます。
  2. ターゲットの交換
    1. 初めに、真空を解除してあるかどうか確認してください(「フィラメントの交換と調整」参照)。X線管の先端部のローレットを緩めてください。
    2. 電子収束リングを、落とさないように注意して外します。
    3. Oリングをターゲットから外します。この時、Oリングに傷など欠陥がないかどうか調べてください。もし乾燥しているようであれば清掃し、バキューム・グリースを薄く湿布してください。
    4. 新しいターゲットにOリングをはめ込みます。電子収束リングをX線管の位置に合わせて置きます。ターゲットをX線管の所定の位置に固定します。ローレットを破損しないように注意して締めます。
開放式X線管 メンテナンス方法(3)

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4.ロータリーポンプオイルの点検と交換

ロータリーベーンポンプのオイル交換は、約2,000~3,000時間使用ごとに行うのが適当です。交換に必要な量は1リットル程度。種類は本製品専用のものを使用するようにしてください。

  1. オイルレベル確認窓からオイルの量と色が確認できます。きれいなオイルは薄い黄色で、汚れたオイルは黄土色がかっています。オイルの量は、窓の8割以上が適当です。半分以下に減っていたら、交換・補充してください。
  2. 中に空気を入れるために、オイル注入口のネジを外します。
  3. ここで、下のネジを緩めていくとオイルが溢れてきます!!必ず、ビニール袋や不使用の容器など、廃油受けを用意してください。下の抽出ネジをゆっくりと緩めます。途中からオイルが流れてくるので、流れ切るまで待ちます。全部出し終わったら、ネジを固く閉めてください。
  4. オイル注入口から交換用オイルを注入します。周りにオイルが流れ出る可能性があります。ご注意ください。8割程度まで入ったら、注入口のネジを締め、オイル交換は完了です。
開放式X線管 メンテナンス方法(4)

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5.高圧ケーブルの保守

  1. 以下のものを用意してください。無水エタノール、シリコングリース、クリーンワイプ、六角レンチ4mm・2.5mm
  2. X線管・高圧発生器からそれぞれ4点ずつのネジを外します。この時、高圧ケーブルは軸方向に沿ってまっすぐに抜いてください。
  3. ラバーコーンとコンタクトピースをアルコールで清掃します。また、リセクタブル内部も同じように清掃します。
  4. シリコングリースを指に1cmくらい取り、ラバーコーン部分に塗ります。リセクタブル内部には0.5cmくらい取って塗ります。湿布後、コンタクトピースをもう一度拭いてください。
  5. 高圧ケーブルを泊まるところまでまっすぐ差し込みます。ケーブルは傾けないでください。
  6. 高圧ケーブルのフランジと、X線管または高圧発生器のあたり面との距離(締めシロ)は必ず4mmに保つようにしてください。調節するときは、フランジ側を調節します。
  7. あたり面とフランジ間の調整方法。フランジの脇にある2点または3点のソケット・セットスクリューを緩めます。適度な距離になるまでフランジを回転させます。調整が終わったらソケット・セットスクリューを締めます。

最後に各4点のネジを均一に閉めていきます。これで高圧ケーブルのグリースアップは終了です。

開放式X線管 メンテナンス方法(5)

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